緩和ケア病棟について話を聞いてきました

近況

みなさんこんにちは。がんつげです。

緩和ケア病棟というものをご存知でしょうか。ホスピスなどとも呼ばれているものです。

余命宣告を受けたときに、

緩和ケア病棟も探しておきましょう

と言われていました。

あ~、最期に過ごす病院的なやつね。いよいよ死ぬ準備って感じするわ~。

と思っていてちょっと目をそらしていたのですが、ちゃんと向き合わないといけないねということでお話を伺ってみたところ想像していたものとはやや違うもののようでしたのでご紹介します。

ちなみにこの辺の話はドクターではなく、国立がん研究センターに居る専門のサポート職員さんが対応してくれています。

緩和ケアとは

そもそも緩和ケアとはなんぞやということについてですが、私の認識では

もう助からないからモルヒネとか打って痛みはないけど意識朦朧として最終的に死ぬやつ

でしたが実際にはもっと幅広い活動が含まれるとのこと。

苦痛を軽減させる処置のこと

緩和ケアという活動には、がん末期の痛みを緩和して心安らかにするというのも確かに含まれますが、一般的にはがん治療時に発生する苦痛を緩和するための処置全般を指します。

患部の痛みを抑えることも含まれますが、他にもがんによる発熱を抑えたり、治療薬の副作用による下痢などの症状や倦怠感を抑えることなども含まれます。

死にかけているのを楽にするだけが緩和ケアではないんですね。

時期によって治療と緩和ケアの割合が変わる

テレビドラマなどを見ているとどうしても緩和ケア=もうすぐ死ぬというイメージがありますが、実際には治療の初期段階から痛みや倦怠感を抑えるための緩和ケアが始まっています。

緩和ケアは症状に合わせて実施されるものなので、治療中に苦痛が無ければ処置が抑えられますし、苦痛が増えてきたらそれに合わせて緩和ケアの割合も上がってきます。

緩和ケアを受けるからもう治療ができない、というわけではないのです。

最終的にもう治療を望めない場合は緩和ケアのみになることも当然ありますが、基本的には治療を続けながら緩和ケアを受けるのが一般的ということですね。

お医者さんがガンガンお薬処方してくれるのはこういうことだったのかと納得しました。

緩和ケア病棟への入院

緩和ケアについてはわかったけどやっぱり入院するのは大変なイベントです。

入院するってことはもうどうしようもない状態な気がするしやっぱり死に場所として考えないといけないのかな?

と思っていましたがそういうわけでもなさそうです。

苦痛をコントロールするために入院する

そもそも緩和ケア病棟への入院は緩和ケアを行うことです。具体的には苦痛のコントロールを行うためとのこと。

苦痛のコントロールと言うのは、痛みを薬で抑えるなどです。

コントロールができるようになれば入院する必要はないのですぐ退院です。

勝手なイメージとしては緩和ケア病棟に半年とか1年とかずっと入院してそのまま、という認識ですが…

そんなことはないですね。コントロールができるようになったら退院します。通常だと1週間程度で、長くても1ヶ月くらいですね。

ということで一回入院したら二度と出られずにそのままご臨終、ということではないようです。

苦痛に耐えられなくなったら入院するけど、収まったら退院して自宅で療養、というのがスタンダードな使い方とのこと。

対応している病院で事前エントリーが必要

使い方については分かりましたが、そういう話であれば今通っている病院(国立がん研究センター)で対応してほしい気もしますが、こちらに緩和ケア病棟の用意がないとのこと。

では他の病院だったらどこでもいいかというとそんなことは無く、緩和ケアに対応している病院を探す必要があります。

突然入院を希望されても病院側で対応ができないので、事前に面談が必要です。

有事の際の意思確認もありますので、面談には家族の同伴が必須です。

電話面談を受け付けているところもありますが、実際に足を運ぶ必要がある病院もあります。

面談も終われば入院可能な状態になるのでひと安心です。

医師に書類をかいてもらったり、日程調整が入るので、エントリーは予約から面談までにだいたい1ヶ月はかかります。なので早めに対応することが推奨されています。

家族は遠方に住んでいるので面談は正直面倒くささしか感じませんが、こればっかりはどうにかする必要がありあそうですね。本人に意識がない状態で入院する場合もあるので仕方がないです。

また、緩和ケア病棟はあくまで苦痛のコントロールが種目的なので、治療に関する投薬はできないとか色々制限があるらしく、そのあたりの意思確認のためにも面談は必須とのことです。

病院によっては自分から電話連絡で予約を取る場合もありますが、国立がん研究センターからアポイントを取る必要があるものもあるようです。このあたりはサポート職員さんと要相談です。

複数エントリーも可能

緩和ケア病棟は複数箇所エントリーすることが可能です。

利用する際は移動が困難な場合が多いので、基本的には自宅近くにある病院を一箇所目としてエントリーする人が多いです。

1箇所目が何か気に入らなかったという場合や、有事の際に確実に入院できるようにするためなどの理由で複数箇所エントリーする患者さんも沢山います。

がんつげさんの場合は、ご実家が遠隔地ですので、今の自宅近辺とご実家の近くでそれぞれエントリーしておくのがリスクマネジメント的には良いかなと思います。

複数エントリーすることで、何か金銭的な負担が発生したりすることはないんですか?

面談の費用が自己負担になるので、一回数千円かかりますが、それ以降は特に維持費がかかると言うことはないですよ。

エントリーしたから必ず入院する必要があるわけでもないので、2箇所目以降は保険をかける感覚でエントリーしておく感じですね。

病棟の様子などは実際に行ってみないとわからないことが多いらしく、面談の際の雰囲気でやっぱり別の病院が良いとなることもあるようです。

緩和ケアの病室は基本的に個室で、厚生労働省が認可している病院であれば一定の水準は担保されるのですが院内の雰囲気は行ってみないとわからないのでしょうがないですね。

余談ですが個室料金に差がある(低いと数千円、高いと一日4万円!とか)のでそれで選ぶ人も居るとのこと。

入院以外の緩和ケア

入院しないと緩和ケアを受けられないかというとそんなことはなくて、訪問看護サービスや訪問医療サービスを利用することで自宅でも同様のケアを受けることが可能です。

訪問看護サービスや訪問医療サービスはその名の通りドクターや看護師さんが自宅まで来て処置をしてくれるサービスです。

看護サービスが週2~3回、医療サービスを週1回くらい受けるのがスタンダードな利用方法ですね。受けられる緩和ケアの内容(使用する薬の種類など)は入院と大差ありません。

自宅で過ごせるメリットがありますが、自宅での対応が2~3時間に対して入院の場合は24時間即座に医療関係者が対応可能なのでどちらが良いかは一長一短あります。

個人的には自宅で過ごせる方が良さそうなので入院よりは訪問医療のほうがいいかなーと思ったりしています。

ただ、その場合突然死んだら2~3日誰にもみつからないことになるので果たしてどっちがいいかは微妙なところですね…事故物件扱いで賠償金取られたりするのだろうか。

訪問看護・訪問医療は緩和ケア病棟のように事前エントリーではなく、必要になったらその際に予約するタイプとのことなので、実際に必要になったらその時どのように過ごすか検討ですかね。今はちょっと実感がわかないです。

まとめ

緩和ケア病棟について色々とお話を聞いてきました。

緩和ケア病棟に入ったらもう死ぬものだと思っていましたがそんなことはないんだなと分かってだいぶ不安が減りました。

病院自体の予約や、予約に面談が必要で、そこに家族の参加が必須とかいうのがだいぶ面倒くさいのが難点ですが、痛いのは嫌なので大人しく手続きを進めようと思います。

つくづく思いますが、人間は一人で生きていけるかもしれませんが一人で死ぬのはできないんですねえ…。自分のことなのに自分だけで処理できないのは色々ともどかしいです。

でわでわ。ごきげんよう!

本ブログが「参考になった」「お疲れ様」「頑張って生きて」という方がいらっしゃいましたら、チップ(100円~)大歓迎です。今後の生きる力につながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました